2019.09.15 Sunday
裂き織の帯
最後まで大切に使う…
江戸時代からの伝統技術『裂き織』をご紹介します。
着なくなってしまったおばあちゃんの着物、お母さんから譲り受けた晴れ着の着物、
思い出の深い大切な着物など、裂き織の技術で帯によみがえらせます。
着物をほどいて細く裂いて、糸状にします。
さらに撚りをかけ、緯糸に織り込んでいきます。
手織りの温かみある八寸帯に生まれ変わります。
経糸は、好みに合わせて黒か白が選べます。
ベージュの紬の着物を使用しました。
経糸に黒を使うことで全体にこげ茶色に。渋めの風合いがすてきです。
夏の絽の小紋に、経糸は白を使い、全体的に優しい色合いの帯に変わりました。
お着物に柄が入っていても、無地の物でもなんでも可能です。
一つ一つ丁寧に織り上げていきます。着物一枚、もしくは羽織一枚で、八寸帯が完成します。
グリーンの色無地に、経糸を縞柄になるよう織り込んだ帯です。
縞柄も粋な感じで素敵ですね。
黒の喪服や留袖などを加工する方や、二、三枚のお着物を組み合わせて仕立てる方もいらっしゃいます。
「小豆三粒包める布は捨ててはいけない」
物を大切にする心が裂き織の帯から伝わってきます。